TOP > 写真で見るTOPICS > 日本道観道家道学院による 新型ウイルスへの活動 20.02.13
この苦難、天災に立ち向かう中国の皆さんにいただいた勇気と友情に感謝!!
東京道学院本校にて、何氏九仙君神に春節の祈りをささげた。
2020年1月26日に日本道観東京道学院において、2年前に中国道教協会副会長、福建省道教協会会長 石竹山道院住持 謝栄増道長より開光点眼分炉していただいた、「何氏九仙君神」の春節のご法要を行いました。
日本道観総本部の福島県いわき市には、道教の道観と、また同じく早島天來宗師が開き、早島妙瑞上人が建立した仏教の寺、大仙山 天來寺があります。
現在学長である私も、また道学院の修行者も、道家、道教と共に仏教の道もあわせて修行しておりますので、ご法要は、道教 仏教のご法要をアレンジいたしました。
神にささげる祈祷文、回向の中で、新年の祝福と、皆の幸せを祈ると共に、現在武漢で発生している新型ウイルスの病魔が一日も早く退散し、皆が健康回復し、安心な街が戻ってくることを心から祈りました。そしてまた、地球環境の変化にも、世界の皆が手をとりあって、無為自然の道の生き方にそってゆけるよう祈りました。
在日の中国の方も参加してくださって、道教、何氏九仙君神の御縁で集まった日中の友が、この一年がより良き年となることを願い、武漢の安全を祈って一つになって合掌した、心温まるひとときでした。
まだこの時は、今ほど新型ウイルスの感染がどこまで広がるのか見通せない時期でしたが、中国と世界が一つになって、必ずこのウイルスの天災を乗り越えて、安心な日常を取り戻せることを皆で祈り、神に合掌しました。
武漢での患者数がどんどん増え、マスク不足であるという情報を聞き、日本道観道家道学院の会員 一般財団法人日本タオイズム協会賛助会員に対して、2020年1月28日に
「武漢応援 中国にマスクを送ろう キャンペーン」
をスタートしました!
総本部で買い集めたマスクをまず、29日には北京事務所からお世話になった研究者の皆様に750枚、30日には武漢へ送っていただくために、中国国際友好連絡会へお見舞いの手紙と共に、10000枚お送りしました。まだマスクが届いていないのに、マスクを送ったというニュースがネットで拡散され、あっという間に1万件を超える多くの方々が「いいね」をしてくださった事がとても嬉しく、感動しました!
全国の支部で行われるTAOの講座や、また会員向けのネットを通じた情報発信では、中国で発生したこの脅威の新型ウイルスについて、度々、情報を細やかに発信し、感染しないための注意を喚起し、マスクや手洗いうがい、気の導引術の実践をして、元気を保つことを奨励しました。そして、
「今こそ私たちは自分の身の回りの小さな心配から脱却し、もっと大きな苦難、天災に立ち向かっている中国の皆さんの事を思おう!」
と呼びかけました。
中国の皆さんの苦労を思い、応援することで、道学院の皆は、日本はまだより安全な中に暮らせていることを感謝し、今 最前線で戦っている中国の皆さんの勇気を思うことで、このウイルスへの不安は消え、武漢の皆さんを思う暖かい気持ちに満たされ、 「なんとか自分も応援したい!」と更に寄付を贈りたいと立ち上がってくれたのです。
2月1日の福岡の講座では、まだウイルス感染が広がっていない九州ではマスクを準備していた人はまだ一部でした。 ですが、たったこの3日ほどの間に、すでに市場からマスクが消えていたのです。 ニュースでは中国の方々が故郷の家族へマスクを大量に購入して送っている、と報道されていました。
そんなニュースを聞いても、福岡道学院の会員たちは自分のマスクも買えていないのに、「武漢の皆さんに寄付させてください。マスクを送ってあげてください」と、講座が終わると続々と皆が志を持ち寄ってくれたのです。 これこそが、人も自分も同じであり、差別感を持たない、萬物齊同の無為自然のTAOの生き方そのものではないでしょうか。
またそうして集まった全国会員よりのマスクへの寄付の気持ちを天に届け、この病魔の悪鬼が一日もはやく消えるように祈るために、日本道観総本部で点灯祈福のご法要を行いました。
玄天上帝神を中央に奉り、鎮宅霊符神の掛け軸をかけて、この厳しい新型ウイルスの病魔が一日も早く退散し、悪鬼を追い払い、皆が健康回復し、安心平和な社会が戻ることを祈って、武漢応援 中国応援の赤い蝋燭に火をともし、点灯祈福ご法要を行いました。
北斗七星の神を神格化した玄天上帝神に祈るために、日が暮れて18時から行われました。 その簡単なニュースをWeiboに流すと8万件を越える読者がこれを読んでくれました。 そういった中国の人達の暖かい反応を知った日本の会員は、さらに応援の気持ちを強めていったのです。 この互いを思い合う心の共鳴が、これから日本でもウイルスが広がるかもしれないという不安から、私たちを守り勇気づけてくれているのです。
そして、道家道学院では各支部にTAOのトレーニングに通ってこられた会員の方々には感染を防ぐために、できるだけマスク着用を促し、品切れで買えない人には無料で渡して、着用してもらい、できるだけ早く購入することを伝えてきました。 その中で2月に入ってからは、もうマスクを通常のように店で購入することがほとんど不可能になっていきました。 そこで手作りマスクの作り方を教え、手作りや市販の布マスクでも、ある程度の健康保持の効果があることを伝え、皆それぞれに市場でマスクが手に入らなくなっても、いろいろ実践しながら前向きに過ごそうと笑顔になりました。
そして「一番大変な武漢や中国の人達にマスクを送ってあげてください」と中国の人達を心配する暖かい気持ちは更に、広がっていったのです。 マスクが買えなくて、お渡しした時も、
「本来ならこれは武漢の皆さんに贈らなくてはいけないマスクですよね。 すみません。
でも買えないので ありがたくいただいて行きます」
とすまなそうに持ち帰る、そんな気持ちを、私たちが常に持ち続けていたら、この世界はもっと住みやすくなることでしょう。
2月の道家道学院での講座では、今回のウイルス発生からの中国の皆さんの頑張りと、忍耐。そして中国政府は世界にウイルスを蔓延させないために、東京と同じくらいの都市を封鎖し、中国の人々も国のためにまた世界のためにと、じっと不安や不自由に耐え、過ごされていることを皆に伝えました。 皆、その現場の方々が命がけで戦っている気持ちを思うと、自分の悩みなんて小さいものだと実感していました。
令和2年、武漢に発生した新型ウイルス、この天災において、3.11で一番に支援を申し出てくれた中国の皆さんが今、苦難に立ち向かっているのです。 私たち日本人は、3.11で受けた暖かい援助にお返しをする時なのです。
今、世界で中国が最も困難な状況に果敢に立ち向かっています。 そして、このような世界的な大変な不安な状況において、今こそ私たちは、宗教や国や人種そして、考え方の対立をおいて、皆が協力し、共にこの人類の苦難を乗り越えなければなりません。 どんな国でもまた人でも、すべてが完璧ではないですが、今はそれを批判の目で追求する前に、まず最も大変な人達を応援し、互いに助け合う心を忘れないで、共に乗り切ることこそが、人類のゆく道であり、「道」TAOの生き方なのです。 そしてこうした苦難を共に越える気持ちを持つことで、私たちは強くなり、また一歩成長することが出来るのです。 またその助け合いの気持ちは、ともすれば、自分の利益だけを求める傾向にある現代において、これからの人類の未来を明るくてらす光となることでしょう。
一陽来復 2月4日は立春でした。
春はもうそこまで来ています。
私たちはこの苦難を確実に乗り越え、より強い絆で結ばれることでしょう。
老子58章に書かれています
禍は福のよる所。
福は禍の伏する所。
禍も福も実は同じ事である。
禍には常に福が寄り添い、
福には常に禍が潜んでいる。
そしていつ禍が福に転じ、
福が禍に変わるかは誰も見極めがつかない。
===早島天來著『老子道徳経の読み方』より===
中文http://www.nihondokan.co.jp/cn_sim/information/dazhihui.html
日文 http://www.nihondokan.co.jp/taoshop/book/book_dotokukyo01.html
私たちは、この天災を皆で乗り越えましょう。
これからの人類の未来にむかって、
この天災に我々が学び、まさかの時に、他人を思う心を養い、暖かい心で結びあえたら、この苦難さえ、未来の幸せに転じることが出来ることでしょう。
天來宗師大先生は1999年にご登仙されましたが、まだ日中が正式な国交がなかった頃に書かれた原稿の中に、次のような文章がみつかりました。
「私は「道」TAOに巡り会って、それまでの人生が変わった 心も体も本当に豊に幸せになった。
そして私が主催する道場に来て病気から救われ健康になった人達は沢山いて、皆本当に幸せになった。
私はこの「道」TAOを生み、育て、伝えてくれた中国の人達に、いつか時が来たら、ご恩返しがしたいと思っている。」
私たちはこの初代学長の言葉を胸に、日々このすばらしい「道」TAOを普及する活動をしております。
そして今、この「道」TAOを生み、育て、伝えてくれた中国の皆さんが苦難に立ち向かっているのです。
今こそ私たちは、天來宗師大先生のこのお言葉を更に強く心に刻み、私たちの出来ることは小さな事ではありますが常に中国の皆さんへの熱いエールを送り続けております。
そしてその気持ちと、また中国の方からの喜びのメールなどが、私たちの、時に不安に陥りそうな気持ちを、強く元気にしてくれているのです。
今最前線でウイルスと戦い、苦難に直面している中国の皆様に、私たちは心からの感謝をお伝えします。
そして離れていても心は常に皆様と共にあり、いつも応援しております。
合掌
早島妙聴
更新日:2020.01.30