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老子・荘子に学ぶ
「人生を最高に生きる 老子の言葉」
~月刊誌「一個人」掲載コラム

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道を会得した人

― 人生を最高に生きる 老子の言葉 ―

第一部 人の道、天の道とは何か 十五章 道を会得した人
古の善く士たる者は微妙玄通、深くして識るべからず。

道を会得した人は、微妙玄通のような人だ。

欲望を握らない生き方

今月の老子の言葉は、第15章です。
古代中国に生まれた哲学書「老子道徳経」には、人生を最高に生きるための秘訣がたくさん説かれています。

その中で第15章には、人の道、天の道すべてに通じた「微妙玄通」な人生の達人について説かれているのです。

では、この「微妙玄通」の人とは、どんな人でしょうか。

それは、慎重なことは、冬の川を渡るようであり、また四方を強国に囲まれた弱国のようである。かと思うと招待された客のように重厚であり、物に執着しない心は氷が溶けてゆくようなのです。
そして作為のないという視点では、原木のように素朴で、かつ広々とした谷のように、すべてを包み込む広さを持っている、というのです。

ですから、一見混沌として濁った水のようにも見えるが、時間の経過とともに、濁った水が澄んでゆくように、この世の乱れを治めてしまう。
そして誰でも安んじて暮らせる世の中にする。というのです。

まさに、今の政治に求められている、天の道といえるのではないでしょうか。

人生に役立つ道

そしてこれは、国を治める、地域を治める場合だけでなく、もっと大きく私達の人生すべてに広げて考えると、とても役に立つ言葉でもあります。

たとえば、ある年齢をこえたら、若いころのように無理は禁物なのです。

体調が良いときにこそ、冬の川を渡るように、体の声を聞きながら慎重に体をいたわることを忘れずに生活することで、健康を維持し、快適な生活が送れます。また、まわりの人との関係も、四方を強国に囲まれた弱国のような気持ちで慎重にすすめれば、対立が起きることもなく、楽しく協力してゆけます。
大きな仕事を為す人ほど、一歩出る勇気とあわせて、慎重さを常に忘れないものです。

そして、更に、どこにいても、招待された客のように、こせこせせずに胸をはって重厚に笑顔でいることで、人間的な風格が加わることでしょう。

あの人は堂々とされているわね、感じが良い人ね、となるのです。
そこで大切なのが、重厚に見せようと作為をしないことです。
無理に立派に見せようなんて思わずに、ありのままの自分らしく素朴でいる、それが大切です。

そうなると、本当に広い谷のように誰でも話しかけやすく、そばにいて息苦しくない、広々とした包容力がでてくるのです。
そんな風に人生をすごし、年を重ねていけたら、あなたに待っているのは充実した豊かな晩年です。

さあ、慎重、重厚、素朴、広さ、その1つずつでも、今日からちょっと意識して実践してみようではありませんか。


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※このページは、KKベストセラーズ発行の月刊誌「一個人」の連載記事
  「人生を最高に生きる 老子の言葉(早島妙聴監修)」をご紹介しております。
  この連載は、定本「老子道徳経の読み方 早島天來編」に更に詳しい解説を加え、
  老子の言葉をわかりやすく伝えています。


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更新日 2017年11月13日

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