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女性のための老子「philosophy of taoism」
~PHPスペシャル連載コラム

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一緒にいて楽しい人 疲れる人

老子23章 希言(きげん)は自然なり

自分の意志を伝えるには 言葉が少ないほうが良い

初代学長 早島天來著 「定本・老子道徳経の読み方」より


自然なコミュニケーション

4月は学校や会社など、新入学、人事異動や転勤など、新しい生活へのスタートの季節ですね。

職場や家庭など、新たな環境に慣れるには、ちょっとしたことを聞いたり話したりできる知り合いや、友達を作ることが大切です。
どこに行っても自然にまわりの人と交流し、会話ができる大切なポイント、コミュニケーションのこつを、多くの人が学びたいと思っていることでしょう。

さあ、そこで古代中国に生まれた世界の名著『老子』にその答えを探してみましょう。

無為自然にすなおに生きることを提唱している『老子』は、「希言は自然なり」と教えています。
つまり、たくさんしゃべるより、言葉数が少ないほうが、自分の意志は伝わるのだ、というのです。 確かに、自分のことばかりをたくさんしゃべる人は、自慢話も多く、あまりいっしょにいて楽しい人とはいえません。


言葉は少ない方が良い

本来、自分の考えを率直に伝える言葉は、それほど多くの言葉を必要としないのです。

たとえば、「この前は言い過ぎてごめんなさい」という意志を伝えたいときは、この率直な言葉をまず伝えるべきなのです。
それ以外の細やかな気持ちの変化やその経緯を、いいわけのように長々と話しすぎると、かえって、こちらの謝罪の気持ちが伝わりにくくなってしまうのです。

自然で楽しいコミュニケーションをするには、まずは率直にあなたの気持ちを言葉にすることですね。
そうすれば、あなたの言葉がすなおな「気」となって相手の心に届くことでしょう。

さあ、この春は、すなおに思ったことをシンプルな言葉で伝える自然なコミュニケーションを目指しましょう。
そうすれば、あなたも疲れませんし、聞く相手も楽に聞けて、人間関係がもっと楽しく広がることでしょう。


<<自分らしさを磨いて、明るく生きよう

柔軟さこそが生命力>>



※月刊誌「PHPスペシャル 5月号」掲載の連載コラム
  「女性の老子~philosophy of taoism(早島妙聴監修)」より

更新日 2016年4月9日

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~ 希言(きげん)は自然なり 自分の意志を伝えるには 言葉が少ないほうが良い
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