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老子・荘子に学ぶ
「人生を最高に生きる 老子の言葉」
~月刊誌「一個人」掲載コラム

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食べ過ぎをやめ 明日の楽しみを残す生き方

― 人生を最高に生きる 老子の言葉 ―


禍(わざわい)は足ることを知らざるより大なるは莫し

── 欲望をはてしなくふくらませていたら、決して幸せにはなれない

初代学長 早島天來著 「定本・老子道徳経の読み方」より

欲張りへの戒め

 今月は老子第46章です。
『老子』は古代、紀元前の時代から、「足ることを知らないと、大きな禍が起きる」と警告をし、人間の果てしない欲望を戒めてきました。

考えてみれば私たちは、子供のころから欲張りはいけない、と親や学校で教えられてきたはずです。
欲張りとは、まさに程度をわきまえず、欲望を膨らませることです。

ところが大人になると、いつの間にか、人より優位に立って、もっともっと頑張り続ける生き方が良いと考えるようになります。

そして、この地球に住む多くの生物や動物のことはさておいて、自分達だけの利益や都合を考えて発展へ走り続けているのが人間の姿ではないでしょうか。

これではきりがありません。

こんなに忙しく日々を過し、沢山のものを手にして、はたして人間は、今ほど豊かでなかった時代より、本当に幸せになったのでしょうか。

もちろん食べるものが無く、飢餓で死ぬ人が多くある時代より、皆が美味しく食事ができる時代は幸せですが、また一方では、先進諸国では物が溢れる時代が到来し、食べ過ぎにより成人病といわれる多くの病気を誘発し、多くの医療費が使われ、社会問題にもなっています。


食べ過ぎをやめ 明日の楽しみを残す生き方

 そんな時代の流れで、最近、健康食ということが声高に言われるようになりましたが、私たちが食べているものは、長い経験と人体実験により、先人たちが食べて安全なものを選び出して残してくれたものばかりですから、適度に食べれば、みな健康食なのです。

そして実はその「適度」がとても大切なのです。

このことを、すでに紀元前の世界の名著『老子』は、五千文字に集約された哲学の中で重ねて語っています。

「足るを知る」つまり欲望をほどほどにし、皆で分け合う生き方ができたら、人生をもっとゆったり健康に楽しめるのですよ、と教えているのです。

そして、そんな生き方を皆がすれば、より平和で幸せな世界がやってくることでしょう。

そこで実践です。

「適度に健康的に食べる」ことをはじめてみましょう。

食べ過ぎによる胃や腸の疲労がなくなれば、本来体がもつ自然治癒力は活発に働き、胃や腸の病気を予防することもできます。

そして、それは食べたいものを食べることをあきらめるのではなく、食事を楽しみ、よく噛んで、ちょうど良いだけ食べたら、残りは明日の楽しみとしてとっておくのです。

今日すべて手にするのでなく、明日を楽しみにする、そんな生き方をすれば、私たちは健康を保ち、生涯現役で働き、余裕のある豊かな人生を過ごすことができることでしょう。

「腹八分に医者いらず」昔の人の名言ですね。

そしてこの言葉は「足るを知る」の神髄を理解していた日本の先人達が残した食への提言でもあるのです。



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※このページは、KKベストセラーズ発行の月刊誌「一個人」の連載記事
  「人生を最高に生きる 老子の言葉(早島妙聴監修)」をご紹介しております。
  この連載は、定本「老子道徳経の読み方 早島天來編」に更に詳しい解説を加え、
  老子の言葉をわかりやすく伝えています。


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更新日 2015年10月10日

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