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老子・荘子に学ぶ
「人生を最高に生きる 老子の言葉」
~月刊誌「一個人」掲載コラム

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家庭でも仕事でも水になろう

― 人生を最高に生きる 老子の言葉 ―

上善は水の若(ごと)し

天に添って 上から下へさらさらと流れる水のように生きよう

チャレンジの季節来たり

 私たちは、一歩外へ出れば、つねに戦いが待っています。出世競争、成績の競争、権利を争う競争、などなど。そして子供のころから、人より良い成績を取れば優秀で、社会に出れば、出世した人が偉い、と当然のように考えてきました。しかし、世界の名著、古代中国に生まれた『老子道徳経』では、そんな無(む)益(えき)な競争はやめて、さらさらと重力の法則にそって、抵抗することなく流れゆく水に、本当の生き方を学びなさい、と教えています。

 確かに水は高いところから、低いところへと、逆流することなく流れ、やがてその長い旅を終えて大きな海に流れ込みます。最も低いところにある海は、たくさんの川の水を飲み込んで、静かにたたずみ、多くの生命を育(はぐく)んで、誇ることなどありません。嵐となれば、大波が岸辺を削り取りますが、また天気になれば、何もなかったかのように、静かにそこにあります。

 静かに寄せては返る波の音を聞いているだけでも、心が癒やされ、デジタル化した社会で疲労した脳が、生き生きとよみがえります。この海が私たちに与えてくれるエネルギーは何なのでしょうか? これこそが天地自然の流れのままに生かされる「気」のエネルギーなのです。

 古代中国の人達は、この「気」というエネルギーを発見し、研究しました。そして、私たち人間にも、この「気」というエネルギーが体内に流れており、天地自然の強い気の流れに対抗することなく、その流れに沿った生き方を見つけて行くことが、健康と元気の基本であり、また最も本当の幸せに、豊かに生きられる道だと気づいたのです。


家庭でも仕事でも水になろう

 さあ、では私たち人間が、どのようにして、この忙しい喧噪(けんそう)の社会の中で、水になれば良いのでしょう。そして、どのように行動すれば、それが天地自然に沿った、健康な元気な生き方となり、幸せへの道となるのでしょうか?

 その最も簡単な答えは、まずは受け入れることから始めることなのです。相手の意見や考えを、まず、そうですか、と受けいれることです。水はどんな形の器にも、そのまますっと流れ込みます。対立がありません。まず、その姿から、学ぶのです。

 ところが私たち人間は、特におとなになると、なかなかそれが出来ません。家族の言うことでも、仕事場でも、そのまま受けいれたら負けになると、どこかで思っているのです。 ところが、まず受けいれるということは、負けではないのです。まず、そのまま「はい、そうですか」と受けいれることで、相手はふっと気が和(なご)みます。そこから本当の対話が始まるのです。

 今日から実践してみませんか。雄大な天地自然の姿に学び、水に学ぶことで、きっとあなたの人生は、より豊かに幸せへの扉を開けることでしょう。



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※このページは、KKベストセラーズ発行の月刊誌「一個人」の連載記事
  「人生を最高に生きる 老子の言葉(早島妙聴監修)」をご紹介しております。
  この連載は、定本「老子道徳経の読み方 早島天來編」に更に詳しい解説を加え、
  老子の言葉をわかりやすく伝えています。


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更新日 2016年6月10日

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