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― 人生を最高に生きる 老子の言葉 ―
谷神は死なず、是を玄牝と謂う
── 母なるものは永遠である
万物を生み出す天地自然の偉大さをここで老子は説いている。
母なるものが永遠なのは天の道だからである。
母の偉大さについて書かれた章です。
このページを読んで下さっている読者の皆さんも、男性でも女性でも、お母様から生まれてきたことは共通です。
だからこそ、人間は誰もが、母親そのものに特別になつかしい暖かな癒しを感じるのです。中国の道教の修行に「胎息」という呼吸法がありますが、これこそ、母胎にいたときの静かな、
そして何物にもとらわれない無為自然の状態の戻る悟りの道です。
「老子道徳経」の特徴は、水や女性や赤子といった、柔らかく弱いものに光りをあてて、実は弱いものこそが本来は最も強いのだ、ということを語った哲学です。
現代だったら理解できますが、「老子道徳経」が書かれた紀元前の時代(紀元前4世紀とも6世紀ともいわれる)当時は、わずかな地位が高い知識者だけが文字を読むことができたのです。 そして、老子道徳経には国を治める知恵も書かれていることを見ると、国を率いるような人達、そしてそれに続くような人にむけて書かれた言葉だったのです。この広い宇宙の中の、この地球に一人の人間が生まれ、そしてその人間がまた子供を産み、またその子供がまた子供を生みだす、そして生命のリレーについて、その母性のことを谷神と方言したのです。
そして、どんな人もみな、この広い宇宙に流れる自然の法則に沿って同じように行かされているのですね。
さあ、母を大切に、そして、生み出してくれたかけがえのないこの命を、無為自然に楽しく生きていきましょう。
※このページは、KKベストセラーズ発行の月刊誌「一個人」の連載記事
「人生を最高に生きる 老子の言葉(早島妙聴監修)」より抜粋しております。
この連載は、定本「老子道徳経の読み方 早島天來編」に更に詳しい解説を加え、
老子の言葉をわかりやすく伝えています。
記事の全文は、KKベストセラーズ「一個人6月号」をご覧ください。
更新日 2014年04月30日