さあ今回も、女子の柔軟さこそすばらしいと説いた人類の名著『老子』の言葉から、人生が幸せに楽しくなる生き方の秘訣をお話ししたいと思います。
今月は老子第19章、「素を見わにし、樸を抱く」です。
素をあらわにし 樸を抱く
── ありのままに 素朴なのがいい
本当に住みやすい世の中とは、簡単に言えば、すべてのものが、その個性を大切にし、ありのままに暮らしているような世の中だと教えているのです。
私たち女子も、それぞれ気の強い人、やさしい人、まじめな人など、個性はさまざまですが、その個性を生かして自分らしい人生を生きるのが、幸せになる秘訣なのです。
同僚のK子さんは、頭も良く、美人でスポーツ万能、もうとても私なんか比較にならない、なんてちょっと気弱になっているあなたは、ぜひいっしょに考えてみましょう。
人との比較に、大切なあなたの人生の時を浪費しないで、自分らしく、ありのままに生きることです。
私たちは学校に入ってからずっと、容姿や、成績や、人気など、人との比較によって、自分の価値を計ってきたのかもしれません。
ですが、老子はそんな考え方を否定し、自分らしくありのままが最も良いと言っているのです。
樸を抱く、の樸は原木のことで、それぞれの木の持つ本来の姿が大切なのです。
頭も良い、美人のKさんと同じになる必要はないばかりでなく、あなたには、あなたらしいあなたにしかない魅力が必ずあるのです。
おしゃれも、仕事も、趣味も、本当に楽しいと思えるものを選ぶことです。
さあ、人との比較で落ち込んでいた時間を、今日から自分磨きに使いましょう。
そして、あなたがすなおに、自分を活かして頑張っている時、それが最もあなたの輝いている時だと忘れないでくださいね。
※月刊誌「PHPスペシャル 8月号」掲載の連載コラム
「女性の老子~philosophy of taoism(早島妙聴監修)」より
更新日 2015年07月10日