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老子・荘子に学ぶ
「人生を最高に生きる 老子の言葉」
~月刊誌「一個人」掲載コラム

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無用の用:役に立たないものなど一つもない

― 人生を最高に生きる 老子の言葉 ―

有の以て利をなすは、無の以て用をなせばなり

── 天から見ると、無用と思われるものが、実は大きな働きをしている。

初代学長 早島天來著 「定本・老子道徳経の読み方」より


世の中にあるすべてが役に立つ

今日は、老子第11章「無用の用」について学びましょう。

この言葉は簡単に言えば、役に立たない、と思われているものが、実は役に立っているものであり、天から見れば、世の中には役に立たないものなど一つもないのだ、という哲学なのです。



器の中にできた空間

私たち人間は、世の中に存在する物や、現象や、人など、さまざまな事柄を、役に立つとか、立たないとか、有益であるとか無益であるとか、人間の都合で決めつけて判断しています。

たとえば、高価な茶器について考えてみましょう。

人間はその外側の土でこねてつくられた器の部分について、美しいとか、芸術性があるとか、そしてまたその形や手触りが絶妙であるとか、言いますが、実は私たちが便利に利用する部分は、その器の内側の空間なのだと、老子は言っています。
器の中にできた空間がなければ、お茶を入れることもできませんし、それを飲むこともできません。

家でもそうです。高価な材料を使い、有名な設計士に依頼し、またデザインに凝って、内装にお金をかけて、立派な家を立てたとしても、実は私たち人間がその家に住むことが出来るのは、家の内部にできる空間なのであって、外側の壁の部分ではないのです。

そこで老子は、建物だけを見るのでなく、実は内側の空間こそが、人が暮らすために必要な部分であることを、忘れてはいけない、と言っているのです。



家は城

兄弟でも、気のやさしいおっとりした兄と、気がきいて、行動的な妹と両方がいて、調和なのです。

大切なことは、自分のまわりにいる人達を、自分の考えだけで評価して、決めつけて見ることをせずに、この世で出会った人達と、特に身近な家族とは、楽しく互いに力をあわせて生きることなのです。

家は言ってみれば戦場における城です。


城が笑顔に溢れ、互いに信頼しあって陽気なら、どんな時代が来ても、私たちは幸せに、そして力強く生き抜けるのではないでしょうか。



道家道学院受講生の声

気のトレーニング(動引術、動功術)によって体が元気になってきたことで、仕事に対して根気と集中力がついてきたように感じます。心にも余裕が出てきて、仕事の様々な場面に対して、ゆっくり慌てず、丁寧に関われるようになってきました。(40代・男性・僧侶)

※このページは、KKベストセラーズ「一個人6月号」の連載記事
  「人生を最高に生きる 老子の言葉(早島妙聴監修)」をご紹介しています。
  この連載は、定本「老子道徳経の読み方 早島天來編」に更に詳しい解説を加え、
  老子の言葉をわかりやすく伝えています。

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更新日 2015年4月26日

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