老子76章
草木の生ずるや柔脆(じゅうぜい)にして、その死するや枯槁(ここう)なり木々も若いときは柔軟で、堅くなると枯れる
新緑の季節、木々は輝く緑の葉を広げ、暖かい春がやってきました。
12月は暖冬、そして1月2月は真冬のように寒い日と、春のような暖かい日が繰り返されて、皆さんも体調をくずされた方も多かったのではないでしょうか。
そんな中で、自然の木々は暖かさも寒さにも、何の文句もいわずに順応している、その柔軟さには静かな強さを感じ、学ぶべきものがあります。
こうして変化する自然と同じように、実は社会環境も日々変化しています。
今日は世界の名著、老子76章から、柔軟さこそが生命力の元である、ということを学び、女性の本来もつ柔軟さを生かして、変化の時代を元気に生き抜く力としましょう。
ところで皆さんは新しい環境を楽しめる人でしょうか、また慣れるまでに時間がかかるタイプですか。
春はとくにご自身やご家族の新入学、転勤、人事異動などがあって、新しい変化に少し緊張した日々を送られているかもしれません。
そんな時に、変化をストレスとする人は、完璧主義の人かもしれませんね。
失敗してはいけない、最初からうまくやろうと思えば、だれでも緊張も強くなりますし、その気使いで疲れます。
だれでも初めての出会いや環境は、慣れるのに時間がかかるのです。
ですから、完璧にやらなくちゃ、という堅い考えを持たずに、初めてのところだから、皆さんに聞いて少しずつ覚えて行こうという、すなおな気持ちでいれば良いのです。
そしてよりポジティブに生き生きと生きるには、新しい経験ができることを、楽しんでみることです。
そうすれば、本来柔軟さを特徴とする私たち女性は、変化の時代を生き生きと元気に生き抜いてゆけることでしょう。
さあ、今年の春は、新しいことも、楽しみに挑戦して、楽しい人生を開きましょう。
※月刊誌「PHPスペシャル 6月号」掲載の連載コラム
「女性の老子~philosophy of taoism(早島妙聴監修)」より
更新日 2016年5月10日