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― 人生を最高に生きる 老子の言葉 ―
曲なれば則ち全うし、枉なれば則ち直し
── 完全でないから人生は楽しい
欠けたものがあるから、完全になる。
曲がっているから真っ直ぐになる
私たちは日常の生活の中で物事を判断するときに、つい気付かないうちに、一般常識にとらわれて、狭い見識でその出来事を見ていることが多いのではないでしょうか。
たとえば、木なら真っ直ぐに伸びで曲がりがないほうが上質で良いに決まっていると思ってしまいます。
ですが、その思い込みって本当にただしいのでしょうか?
つまり、ここで注目された木は、すくすくと真っ直ぐに伸びずに、曲がっていたからこそ、人間がすぐ利用するには不都合なために、誰にも見向きもされず、老木になるまで切られることもなく、天地自然に与えられた木の一生を全うすることができるのです。
そのおかげで、天地自然に与えられた木の本性、そして木の長い一生は、真っ直ぐに全うするうことができた、
つまり、欠けていることにこそ価値があるのです。
「老子」の特徴は、常識的な社会通念に真っ向から反対し、利益追求の功利主義にそって進んでいるこの社会のありかたをはっきり否定しています。
論語にあるような、正しい生き方をして、真っ直ぐな木として成長するよりも、無為自然に曲がった気で良いというのです。
そんな自由な生き方を提唱し、そして、私たち人間は、もっと広く世の中を見る眼を持つべきだと、教えてくれるのです。
人生は思うようにばかりは進みませんが、「曲なれば則ち全うす」の言葉を胸に刻んで生きれば、人生はただ一夫的な功利主義的な見方だけでは良い悪いと判断できないことがわかってきます。
そうすれば、私たちの前には、人生、何がおきても良いも悪いもない、もっと自由な世界が広がるのです。
そして、無理に真っ直ぐにならなくていい、そう自分に言い聞かせたときに、自分自身の心がとき放たれてゆくのをかんじることができるでしょう。
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※このページは、KKベストセラーズ発行の月刊誌「一個人」の連載記事
「人生を最高に生きる 老子の言葉(早島妙聴監修)」より抜粋しております。
この連載は、定本「老子道徳経の読み方 早島天來編」に更に詳しい解説を加え、
老子の言葉をわかりやすく伝えています。
記事の全文は、KKベストセラーズ「一個人8月号」をご覧ください。
更新日 2014年07月07日