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― 人生を最高に生きる 老子の言葉 ―
足るを知れば 辱しめられず。 止まるを知れば 殆(あやう)からず
── 程をわきまえていれば 恥をかくこともないし 挫折することもない。
今回は老子四十四章、足るを知る生き方について考えてみましょう。
われわれ人類は、二本足で立ってから、急速な勢いで文明を開化させてきましたが、また一方で、その発展が公害を生み、環境を破壊して、多くの種を絶滅させてきました。
そして地球温暖化現象は危機的状況であるということが言われ、人類未来のゆく道を、本気で考えなければならない時が来ていることを皆が感じ始めています。
しかし、『老子道徳経』は、紀元前にすでに人間の持つ限り無い欲望に警鐘を鳴らし、無為自然に生きる道、「足るを知り、止まるを知る生きかた」を教えているのです。
人類は、発展という名のもとに、大量生産、大量消費の豊かな社会を目指して来ましたが、その競争社会は今や、インターネットの検索結果がすべての、データー至上主義の管理社会に突入しようとしています。
すべてをデーターだけで管理する思考に洗脳される前に、私たちは一度足をとめて考える時が来ています。
そして我々人間の持つ発展へのすばらしい智恵や勇気や努力、これを、地球環境との調和を基本として、自然の流れに添った生き方を選択することが、これからの人類の幸せへの道なのです。
そのためには、まず日々の生活の中に「足るを知る」べきポイントを見つけ、実践することです。
そしてその小さな足るを知るの積み重ねこそが、地球規模の環境保護にもつながり、その生き方こそが、人類未来の幸せな生き方につながってゆくのではないでしょうか。
私たちにとって、本当の幸せとは、実は多くを手にすることでなく、自分自身の今の人生に満足できることなのです。
あなたが今手にしているもの、それをもっと大切に愛することで、今手にしているものが、より多くの幸せを与えてくれるようになるでしょう。
家族でも、友人でも、仕事でも、お金でも、家でも、それぞれをもっと大切にしたら、今手にある幸せは、自然に膨らんで大きくなってゆきます。
家族と楽しく過すために、より高価なプレゼントを考えるよりも、毎日のやさしい一言、ありがとう、を実践することです。
そして、今ある家の庭が狭いと不満に思うよりも、小さい庭にも季節の花を植えて楽しむことです。
そうやって、日々をより豊かに楽しく過す方法を日々実践して生きる、つまり、今持っているものをもっと大切にして、今日からすぐ出来る、あなたの人生にあるものの価値を高める生き方をするのです。
そしてその実践によってあなたの人生は確実に楽しくなることでしょう。
限り無く追い求める人生から、今手にしているものを大切に、人生をより深く味わう人生を選ぶこと、これこそが、私たち人類が限り有る資源を大切に、この地球のすべての生物と共に調和する生き方の、本質なのではないでしょうか。
道家道学院受講生の声
気のトレーニングをするようになってから身体の変化の著しさに驚いています。
長い間、腰から背中にかけて慢性的な痛みや肩こり等がありましたが、今ではその感じが嘘のようになくなり体全体が柔らかくなりました。
また、身体が柔らかくなると不思議と考え方も柔軟になり、以前はストレスに感じていたことも全く気にならなくなっています。
(K.Eさん 42才 男性 会社役員)
※このページは、KKベストセラーズ発行の月刊誌「一個人」の連載記事
「人生を最高に生きる 老子の言葉(早島妙聴監修)」をご紹介しております。
この連載は、定本「老子道徳経の読み方 早島天來編」に更に詳しい解説を加え、
老子の言葉をわかりやすく伝えています。
更新日 2015年5月26日